雨の土曜日ざます。
んーと、連休前ですが、
仕事関係のみなさまには、どうか……
締め切りを同じ時期に集中させないでほしい!
さぁ、スッキリしたところで、近況です(笑)。
ホノは新しい先生たちとものびのびやってるみたいです。
のびのび過ぎることもあるみたいですが。
何やかやあっても、とりあえずは元気してますわ。
しまじろうも『ヘソカ』から『わお!』に変わり、
らむりんから、にゃっきいに交替。
ネコ好きのホノは喜んでます。
しかし、あの若干Eテレめいた、
ややトンガったコーナーの数々はどうかな〜?
幼児よりも大人のほうを向いてる気が。
「ツァラトゥストラ」を使ったオープニングも
ちょっとなあ……と思います。
ええと、前回分にコメントを下さった<加藤ひさし>さん、
ありがとうございます。
どうもコレクターズの加藤さんご本人のようで、
Facebookでもリンクを張っていただき
ありがとうございますですだよ(←もんじゅくん口調)。
青木も原発再稼働には反対ですだよ。
今回は、その前回の続き、
加藤さんとのやり取りをどうぞ!
――加藤さんはそこで
「花火が終わって寂しいね」という歌は、
やはり唄いたくないですか?
「認めたくないんだろうな、たぶん俺は。
その帰り道の寂しさをね」
「面白いもんで、ピート・タウンゼントが
……昔、ザ・フーの伝記本が出てね。
その頃ってピートは30代半ばだったと思うんだけど、
ものすごい歳とったような文章を書いてんだよ。
昔はワールドツアーに出て、何でもかんでもやってて、
<明日のことなんか知らねえ!>っていうような
プレイをしていたと。
ところが最近は子供が熱出したって電話をもらえば、
それを気にしながらプレイしてると。
歳とっちまったなぁと。
で、<俺があと10歳若かったら
行ったことのない国にも行って散々プレイしたいんだけど、
でも俺は歳とっちゃった>――
っていうインタビューを読んだのね。
<ああ、こうやって情熱は冷めてくんだ>と思ったの。
まあ俺が35の時にはそういうことは感じなかったけど
……やっぱ40代半ばぐらいから、
ピートのその言葉が……よぎるね」
――うーん、身にしみますか。
「身にしみる!
うちの娘は喘息持ちだったから何回か入院したんだけど、
ライヴの楽屋で『咳が止まんないんで病院行く』って聞いたら
<あぁ入院かよ……>みたいな。
そういうことを思いながらライヴをやったりね。
それにあと20歳若かったら
サウス・バイ・サウス・ウエストとか、
アメリカに行ってやってもいいと思うだろうけど。
でも今この歳になると、コータローに
『疲れるからやめようよ』って言われるのがオチだよね(笑)」
うわー。
リアルだなあ、加藤さん……。
そして僕はこの時、勝手に、
自分の中に通じるものを感じながら話を聞いていました。
――そこで娘さんの体調を思う時、
ピートのように情熱が冷めちゃうことはありました?
「冷めるって、
すごくネガティヴな言葉に捉えられちゃうじゃない?
でも冷めてる瞬間は、やっぱあったと思う。
音楽以外のことをどんどん考えないといけなくなるからね。
20代でデビューして、最初の頃は子供もいないから、
四六時中家で大好きな音楽を大音量でかけてて。
こんなアルバムを作りたい、こんなスーツを作りたい、
こんなライヴをやってみたい……
もう頭ん中が100%ロックンロールで、
それを仕事に反映させることしか考えてなかった。
でも結婚して子供ができると、それ以外のことを……
一般の人がやることをやらなきゃいけない率が、
どんどん高くなる。
まあ、それをやることによって
自分が成熟していくのもわかるんだけど……
ある種、冷めていくというか、領域が狭くなるよね」
――そうですね。
今の僕がまさにそうなんです。
「うん、でもそれは自然なことだと思った。
で、こう思ったことがあるのよ。
子供ができて家族を持った時に、
自分の中で加藤ひさしが100ある中で、
50ぐらいしか音楽に使ってないんじゃないかな?
もったいないんじゃないかな?って。
音楽に100%加藤ひさしを使ったら、
すごくいいものができんじゃないかな?……って」
――はい、はい。
すごくわかります。
「でも……俺は理系の人間だから、
理系のものにたとえて物事を考えることがあるのね。
自動車ってガソリン入れてエンジン回して走るじゃない?
車を動かすためのエネルギーってさ、
エンジンが回ってる100%が伝わってるわけじゃないんだよ。
回転エネルギーに取られちゃったり、
熱エネルギーに変わっちゃったりして、
車を回すための駆動には、
そのうちの何割かしか使われてないんだよね。
使いたいと思っても、
エネルギーの100%は本来使えないわけよ!」
――もともとのエネルギー効率がそうなんですね。
「もともとがそうなの!
つまり100%加藤ひさしをやっていたら、
たぶんブッつぶれてたなと思って。
やっぱ50%加藤ひさしが普通なんだって思うようになった。
エネルギー効率もそんなもんでOK。
世の中のほとんどのエネルギーがそうなってるからね。
だから冷めていく部分はあってしかるべしだし、
なきゃダメなんだと思った」
――なるほど。
それも人生の中で込みなんですね。
「そう、込み。
で、冷めてなきゃ、どっかでブッつぶれる!
オーバーヒートする」
――では加藤さんが今もいい曲を書き続け、
ロックンロールを続けられてるのは、その効率が――。
「効率がいいからかもしんない。
ちょっといい加減な部分があって、
カッとなるところもあって……
で、そういうバンドがいて。
世話好きだから奢りもしなきゃいけないし。
そういう音楽・加藤ひさしじゃないところでの
邪魔するものがあるから、うまいことやってこれたのかな。
たとえば娘が受験するってなれば、
普通の親として
考えてあげなきゃいけないこともあるじゃない?
<予備校に行かせなきゃいけないのか>とかさ。
そういうことがあるから、
音楽の鳴ってるところからちょっと離れられて、
違う視点から
また面白いアイディアが出るのかもしれないしね」
このインタビューはまだ続いたのですが、
コソロック向けの引用として、ここまでにします。
そう、この時の話、僕はすごく共感したんですね。
ほんと、子どもがいると、100%の自分は出せない。
子どもというか、家族かな。
100は、ムリです。
何に集中するにしても、どこかで家族のことを
頭の片隅に置きながらという前提があるんですよね。
それで僕なんか、
もともとバイタリティがあるほうじゃないので、
その上に子どもが病気で、
この9年弱というもの、今でも苦慮してる状態で。
だから普通の人の仕事量の、50%どころか
たぶん数分の1かしか集中できてないと思います。
その分、ムダな体力を浪費しないようにしたり、
エネルギー効率を良くしようとしてるけど
(もっとも、文化は
ムダなことから生まれるものですけどね……)。
独身の頃の、自分が全力を尽くすことだけを
考えてれば良かった環境は、
もうどこにもないんだなあって。
これについては、今でも、
つい昨夜も、葛藤していました。
だけど、これについては諦めています。
言い方悪いけど、もはや。
それが現在の自分のリアルだから。
あと、こういう事情は、子どものいるいないだけじゃなくて、
人によって、ありますよね。
家族、親族のこと。
精神面、健康面の問題。
状況的に、背負う責任の大きい人、重い人。
年齢を重ねると、人が抱える問題は
どうしても大きくなりがちなんですね。
だけど、あの加藤さんも……
昔はあれだけ恋や夢や孤独について唄ってた彼も、
自分の子どものことだけでも
そんなに苦しんでることがあったと知ったのは
感慨深かったです。
僕ももっと頑張んなきゃなって思いました。
頑張りすぎないレベルで、ですけど。
だって倒れたら、それこそ家族が困るわけですからね。
さて、コレクターズには
今出てる『音人』でも
加藤&古市のご両名にインタビューしてるんですが、
こちらでも面白い話が聞けています。
この記事については、もうちょっと経ってから紹介します。
興味のある人は、ぜひご一読を!
(とりあえず了)